この世界の片隅に 感想

いくら評判がいいとはいえ、いわゆる邦画での反戦・平和映画ってのは苦手を通り越して見たくない部類なのだが
それにしちゃえらく評判がいい。
ううむ、観ようかどうしようかとなやんでいたところに
あの絵柄で主人公が○○を失うというネタバレを喰らった途端にみたくなったのだから
私の心の闇も相当だと思う。

閑話休題。

平日の、それも朝一(9時50分)の回だったので銀幕独占かと思いきや、ほぼ満席。
えれぇ人気である。
で、その感想だが。

うむ、確かに傑作、良作である。
それも即座に傑作認定ではなく、じわじわと来る系の。

戦時下の庶民の日常を淡々と描いていく。
それが面白いのは、ドジっ子属性のすずさんの明るさ故だが、
そこにプラスして、旦那の周作さんとの恋愛作品として見ることもできる。
もちろん、庶民の生活にも戦争はやってくる。
この作品の素晴らしいところは

戦争がやってくる→主人公がこれでもかと悲劇に見舞われる→バッドエンドルート直行で「平和が一番ですね」

みたいな、いかにもな描写がないところだ。

戦争がやってくる→主人公が悲劇に見舞われる→「それでも生きていかねばならんのよ」

と、日常生活が続く。
だから、8月15日で終わりではなく、きちんと戦後の生活に入ったところも描かれる。

「シン・ゴジラ」や「君の名は。」が震災をモチーフに、と言われているが
私に言わせればこの「世界の片隅に」の方が震災と重なるところが多いと思う。

そうそう、この作品で好きなシーンが2つある。
一つはご近所さんの息子さんが出征するため、すずさん達が万歳するシーン(そしてすぐ空襲警報)。
あの「下を向いて、まったく嬉しくなさそう」なすずさん達がよい。

実際そうだったらしいよ?
事変直後ならともかく、戦争末期ですもの。
招集がめでたいわけがない。
しれでも「めでたいこと」となってるため、しかたな~く万歳で送る。
あのやるせなさがよく出てる。

もう一つ。
なんの行列かわからんが、とりあえず並んだら、進駐軍の残飯雑炊だった。
徑子さんとすずさんが
「う・・・う・・・う・・・うま~い!」
そして帰宅して晩飯。
「こっちは味がない・・・・・・」

あのシーンで、亡くなった祖母の話を思い出しました。

祖母が進駐軍を初めてみたのは
「颯爽と走るジープに乗ったGI」
だったそうで。
それ(ジープ)を見て祖母は
「あんなの持ってる国に勝てるわけがない。なんであんなバカな戦争したんだか」
と悲しくなったそうな(そりゃこっちは木炭バスですからねぇ)。

大変な良作ではある本作ですが、3つほど指摘したい事も。

1、「モガ」って若い人わかるんかなぁ?
2、すずさんが道に迷ったとき、聞いて回った所は「遊郭」なんだけど、「遊郭」ってわらない人多いんじゃなかろうか?
3、本作の一番の問題点。あの青葉乗組の幼馴染。好きだった女の嫁ぎ先まで来るか普通?100歩譲っていいとしても、飯食って風呂入って、あまつさえ泊まるその神経は理解できん。如何に明日知れぬ身とはいえ、そこは堪えて明るいうちに帰るのが漢ってもんだ。








おまけ。
すずのお兄さんへはがきを出すシーン。
宛先が「豪北方面」
あー、、、これあかんわ。と即座に理解するのが軍ヲタという生き物です。

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